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カカイルSSS

しょーもない話です(苦笑)
なんで、あんなのになったのか不思議。。。


拍手ありがとうございました!






「現実を見据えて、しっかり貯蓄していくことが男の甲斐性だと思うんです。しかるになんですか、貴方は、カカシさん!」
「いやぁ、俺は宵越しの金は持たない主義でして」
「持たないにも程があるでしょう! 上忍ランクの仕事の報酬が幾らかご存知ですか!?」
「さあ?」
「…そうでしょうとも」
忍の給料は歩合制だ。
里が依頼を受け、任務完了の報告を受けた後、依頼のランクと忍の実績を考慮し、依頼料の殆どを里が懐に納め残ったほんのちょっとから各種手当てを引かれさらに残ったほんのちょっとが手取りとして後日渡される。
それも、各人がわざわざ受け取りに来なければ渡されない。
下忍だったナルトが里で受け取っていた報酬は、Dランクの上新米下忍だったのでまさに子どもの小遣い程度のものだった。
それでもナルトは自分で稼いだ金が嬉しく、毎回まめに報酬を受取に来ていた。
里には現役で働ける忍とそうでない忍がいる。そして多くの忍の遺族、戦災孤児たち。
彼らの面倒は、里が一切合財を請け負っていた。頼れる一族がいる場合はその限りではないが、身一つで放り出された戦災孤児たちが一人前の忍になるまで生活に困らないのは、福利厚生を充実させるため、現役の忍が受け取る報酬がちょっとのおかげだ。
しかも現役の忍たちも、忍服や忍具など、任務ランクに合わせて申請すれば最新のものを受け取れるので、よほど身持ちが悪くなければちょっとの報酬でもそれなりに楽に暮らして行くことが出来た。
とはいえ、忍も人間だ。最低限の衣食住+仕事の保障はあっても、出来ればちょっと、いやかなり人生を楽しみたい。
という訳で、忍の多くは、ナルトのように受けた仕事の報酬を楽しみにるんるん気分で受け取りに来ていた。
ところがカカシのような例外もいる。
「カカシさん。任務受付所を含めた火影直属の組合は、確かに忍の方に快適に任務を行っていただくための努力は惜しまないつもりです。生活にだらしない方のためには、火影の命令で報酬の一部を定期貯蓄に回させていただいてもいます。しかしですね。それにも限度というものがあるんですよ。聞いてますか、カカシさん。貴方のことですよ!」
「はぁ。俺、なにかしましたかね」
「何もしないからダメなんです! この10年間、1度も報酬を取りにこないどころか、報酬が貯まり過ぎて困っているので受け取りに来てくださいと、わざわざ貴方を訪ねていった職員に対して『適当に困ってる奴に貸しといて、十一で』なんてアホなこと言う人がどこにいます! それが手本となるべき上忍の姿ですか!!!」
「はぁ。でも俺、金に困ってませんしねぇ」
「そりゃそうでしょう。三食うちにたかりに来た挙げ句寝泊りまでしてるんですから!」
「あ、そうですね。じゃぁ全部アンタに上げます。家賃とか食費とか、全部それでチャラってことでどうですか?」
カカシは真顔なのかどうかよく分からない眠たそうな目をしていた。実際、任務から戻ったばかりなので眠いのかもしれない。
そんな時にこんな話をするのはどうかと多少躊躇いのがあったイルカだが、カカシの言葉を聞いてプチン、と堪忍袋の緒が切れた。
「出てけ! このロクデナシ!! 二度とうちの敷居をまたぐんじゃねぇ! バカ!!!!!!」



里には、カカシのようにちょっとの報酬でも高額になり個人で管理するのが面倒だという人のための金融機関もある。
任務受付所が報酬を預かっているのは、長期任務などで報酬を受け取ることができない相手のための救済措置なのだ。
カカシのように高額かつ管理が面倒というなら、報酬を渡す受付所の隣に金融機関受付所があるのだから、右から左に「よろしくね」と一筆書けばそれで済むことだった。
だが何故か、高額な報酬を受ける忍に限ってそれを面倒がる傾向がある。さすがに10年放ってあるのは珍しいにしても2・3年ぐらいはざらだ。
そしてその報酬管理は、業務外に近いため、誰もやりたがらない。なので苦肉の策として、とっとと取りに来させるため、報酬を受け取るべき相手の近しい人間に報酬管理が押し付けられる傾向があった。
カカシが家に入り浸るようになって一ヶ月。
見たこともないような金額の金を『業務外』で管理させられた挙げ句、カカシにただ飯をたかられ続けたイルカは、溜まりに溜まったストレスごとカカシを追い出した。


一週間後、やっと報酬を受け取りに来たカカシは右から左に「よろしくね」と一筆書く代わりに「結婚持参金につきイルカ中忍に一任」と書き、その場でイルカに殴られた。


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