「待つの飽きないか?」
「任務ですから」
「任務…ねえ。あそこから帰って来れるとは思えねぇけどな。期限過ぎてっし」
「先輩は先に報告に戻られていいですよ」
「ばっかやろ! お前一人じゃ見つかった時、逃げられねぇだろうが」
「期限過ぎてますし」
「嫌味か、おらっ」
「多少は」
「お前な、」
「困るでしょう。ここに味方がいないと。ここを補給に想定して潜入しているのに」
「だぁかぁらぁ! 期限過ぎてりゃ向こうも想定を変えて…!」
「死にますよ。17箇所あった拠点が潰されたんです」
「だから俺たちだって!」
「危ないですよね。期限もすぎてますし。だから報告に戻って下さい」
「お前は!?」
「待ちます。死んでたら暗部の回収班が動いているはずなんで」
「待つっていつまでだよッ!」
「補給の用を成さなくなるまでは」
「こっちの身が危ねぇんだぞ!」
「潜入班が戻って来るなら、こちらより優先順位が高いので。里から帰還命令もありませんし」
「こんの、強情っぱりが!」
「…報告に戻らないんですか?」
「一人、戻してる! お前を置いて行けるかッ」
「…物好きですね」
「どっちがだよ…」
翌日明け方、潜入班と合流し、彼らは拠点を放棄。里に帰還した。
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