「あいつ、刀を持って行ったのか!?」
「心配事でもあるんですか?」
「あ、いや。本気なんだと思ってよ。あいつ忍術より、得物の扱いのが上だからな」
「そうですか? 忍術も相当なものだと思いますが…」
「ん?」
「いえ。今回は単独任務なんですね。あの人は下忍なのに、珍しいと思って」
「あぁ、あいつは…」
「なにか、聞いては拙いことですか」
「いや。そうだな。どうせ任務で一緒になるんだ。あいつは、暗殺の陽動だ。一人で呼ばれたってことは、暗部か上忍の別働隊だろ」
「…下忍なのに、ですか?」
「適材適所ってヤツだよ」
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