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シカマルとナルト

火影ナルトと片腕シカマル。

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「ナルト」
ナルトは里が見渡せる丘の上にいた。
ヤツのお気に入りの場所だ。多分ここだろうとあたりをつけてきたので探すほどではなかったが、この火影は執務室に居着かないのが目下のところ悩みの種だ。
影分身が出来るのだから、影ぐらい置いて行きやがれ! と前に言ったら、良いコトを聞いたとばかりに、影分身を残し里を出て放浪の旅に出てしまったこともある。
偉大な先輩に文句をつけるわけではないが、ナルトの放浪癖は師匠譲りだろう。
「んー?」
腕を枕に昼寝していたらしいナルトは、眠そうに声だけ寄越した。
「案の定、雲の里が裏切り者を引き渡せと言ってきてるぞ」
先日、里の上層部と折り合いが悪い忍が一人、抜けて木の葉隠れの里へやってきていた。
どうもナルトの知り合いだったらしい。
同盟の一つとして、抜け忍を引き渡す約束がある。本来なら里へ入れることもないはずなのだが。
「やだね」
火影の我侭でそれは無視された。
「やつら、ごねてふっかけてくるつもりだぞ」
「払えるもんなら払ってやるってばよ。それがどんな代償だろうと。死んだら、『人』は帰ってこないんだ」
「お前なあ。ガキじゃねぇんだ。少しは里の利益とか考えたらどうだよ」
「そいつはお前に任せた!」
よっと掛け声をかけ飛び起き、ナルトは子どものように無邪気な顔でにかっと笑った。
これが火影だ。
呆れたことに。
歴代火影の中でも最も頭が悪く、不器用で頑固で、人を惹きつける。
始末が悪いことに、シカマルはこの火影が気に入っていた。
手に負えない。
「仕方ねぇなぁ。確か奴らには貸しがあったはずだし。思い出させてやりゃ、なんとかなるか」
「頼りになる参謀がいて助かるってばよ」
「あのな」
めんどくせーことを押し付けられてばかりで、シカマルとしては気に入らない。
頭を掻いて一言言ってやろうとナルトを見ると、その横顔が遠くを見つめていた。里を飛び越えた真率な横顔が、口を開く。
「馬鹿馬鹿しいしがらみなんかのために、死なせられるかよ」
柵を利用して利益を得るのが大人の理屈だ。
それを飛び越えて、ナルトはいつも想像したこともないような場所へ里の皆を連れて行く。
「仕方ねぇ」
これが、シカマルの選んだ火影だ。大事なものを犠牲にしない、強い意志。
馬鹿も貫き通せば化ける。里一番の貴重な大馬鹿野郎だ。
「ん? なんか言ったか」
「高くつくぞ。嫌っていう程、働かせてやるからな」
だが野放しにするとどこまで行くか分からない。少ししめとくか、と脅しつけると、少しは手加減してくれ~とナルトがへたれた声を上げ逃げ出した。
一寸前、ナルトの見ていた視線の先をシカマルも追う。その先にほろ苦い笑みを残し、肩を竦めるとシカマルも踵を返した。
里の利益が掟がどうだと爺婆どもは騒ぐが、用は口うるさいヤツラを納得させりゃいい。
馬鹿の往く道なき道を作るのが、シカマルの役目だ。


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シカマル好きーw

里のご意見番は、歴代影とフォーマンセルを組んでいた仲間率が高いので、それを考えるとナルトが火影になった後、次の火影達に「爺婆どもめ!」と五月蝿がられたかもしれないのは、サクラとサスケだったのかもー! と思うとちょっと萌えます(笑)

サスケはどこにいっちゃうんだろう…。
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