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カカイルSS『祭りの囃子』

カカイルです。
じゃれてるだけです。ほのぼの。






『祭りの囃子』(by hana)


里の郊外にある一軒家の縁側からイルカが顔を出した。
いつもと違う様子だ。ゆっくりと寛いで縁側に座るイルカは浴衣を着ていた。同じなのは高い位置でひっつめられている髪だけ。
縁側の脇に置かれた草履置き代わりの荒削りな長方形っぽい石の上に、子どものように足を投げ出す。足で出しておいたはずの下駄を探すのだが、下駄がなくて。

「カカシさんっ」

イタズラの主を怒る。
カカシが笑って片手にもった下駄をひらひらと振った。

「遅れるアナタが悪いんですよ」

側頭にひっかけられた狐面と浴衣。
祭りに行く約束で。
楽しみにしていたカカシは珍しく無邪気に笑っていた。

イルカは怒って素足で庭に下りてカカシから下駄を取り返そうとする。
すぐに返すつもりだったカカシはそんなイルカが可愛くて意地悪をしたくなった。
少しだけのつもりで、イルカの手から下駄を逃がす。
履物を返してくれないカカシに焦れ本気で怒るイルカを見て、カカシは怒りに少し開いた唇を啄んだ。

「っ!!!!!!」

怒ってるのに、そんなことをしてくる神経が信じられない! とイルカは怒るが、唇を押さえた顔は真っ赤。怒りが削がれているのがすぐ分かる。
抱きしめてしまいたいな。
カカシが不埒なことを考えているのに、同じ場所に立っているはずのイルカは遠くから聞こえて来た祭り囃子に誘われるように素足で歩き出した。
下駄だけ手の中に残されておいてけぼりのカカシを、奇妙に歪んだ祭囃子が哂う。

「なにしてるんですか。行きましょう」

イルカが戻って来てカカシの手を引く。
きょとんとしてカカシはイルカと手の中の下駄を見て。
イルカに手を引かれるままに歩き出した。
下駄が要るから戻ってきたのか、カカシを呼びに戻ってきたのか分からないまま。

 

 

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