リハビリにSS書いたのですが、気に入らなかったので没。
更新がないので、そっとブログにアップしてみました(苦笑)
「好きです」
「知ってましたよ」
「好きです」
「分かってます」
「好きです」
「…なら、なんで死んだんですか。カカシさん」
…俺も『好きです』って伝え損ねました。
「…っていう夢を見たんです、よ」
魚の頭をぽりぽり齧りながら喋るイルカに、はぁ、とカカシは相槌をうった。
ペインの襲撃で更地になった里はいまだ復興したとは言いがたいが、まぁ適当な場所で二人飯を食える時間を取れるぐらいには落ち着いていた。
二人並んで岩に腰掛け簡単な昼飯を食っていたのだが。
「カカシさん。死なないで下さいね」
話題が不穏だった。特に今、死んで生き返ったばかりのカカシにとっては。
「まぁ、大丈夫でしょ」
遠くに視線を飛ばしながら、適当に答える。
イルカはそうですね、と応えた。カカシさん程の人なら。
何度か聞いた台詞だ。いつもイルカはちょっと照れたように赤くなってそんな風にカカシを優しい気分にしてくれる。
だがいまは違った。
ちらりと横目でイルカを見ると、すごく平坦な顔をしている。
カカシはまた視線を遠くに飛ばした。
これは知られている…の、かもしれない。
「イルカ先生」
「はい」
「いま『好き』って言いました?」
「ええ。でもクソ食らえって気持ちです」
「………」
「………」
「俺は結構、守りたいものがあるみたいです」
「俺もです」
「イルカ先生とか、イルカ先生が住むところとか、イルカ先生の好きな人とか」
「カカシさんは結構嘘つきですね」
知られてるな、これは。
「嘘はつきませんよ」
イルカはぽりぽりとおしんこを食べ、ごくんと飲み込んだ。
「いいですよ。信じます」
横目でちらりとイルカを伺うと、かたくなに前を見ていた顔が、カカシを見ていた。
…かなり近い?
てか、これは…ッ。
「俺の『好きな人』、ちゃんと守って下さい」
ゆっくりとイルカが離れていく。
離れない怒りを帯びた目線にどんな顔をするべきか途方にくれたが、動きかけた腕を止めて、まぁ、と返事をした。
「やれるだけ頑張りますよ」
「イルカ先生」
「はい」
「続き、していいですか」
「『ふざけんな、馬鹿』」
見詰め合ったままイルカがにっこり笑う。
3年越しの告白の返事は、想像とはちょっと違ったが、カカシは面覆いをずり下げてイルカに口づけた。
そこで時間切れ。
上忍に呼ばれ立ち去るカカシの後姿を見送って、イルカは拳を握りしめ俯いた。
耳まで真っ赤になっていた。
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いろいろすみません(苦笑)
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